事例Case Study

データセンター移設は、通常の精密機器輸送に比べてより高いセキュリティへの対策や不測の事態への備えが求められます。
今回の事例はコロナウィルス感染拡大がはじまった頃であったため、これまで以上に様々なリスクを想定したうえで綿密なスケジュールをたて、2回のリハーサル運送を行うなど、万全の体制で実施しました。

関西から関東への長距離輸送であるため、通常であれば貨物引取後センターなどで一度別トラックに積み替えることが多いですが、セキュリティの観点からお客様のご要望は積み替えなしでの輸送でした。
出発時間と到着時間のご希望もあり、1台のトラックでドライバーの休憩時間なども考慮した上で時間を守るプランの作成に課題がありました。

また新型コロナウィルス感染が拡大し始めたころであったため、コロナ感染予防の対策や、ロックダウンによる交通や配送先センターへの影響等、不測の事態への備えについてもご要望がありました。

【お客様の主なご要望や課題】
●出発から到着まで同じトラックを使用する（積み替えなし）
●施錠つきトラックを使用し、積込後、積み下ろしまで施錠されていることを管理する
●出発時間、到着時間にご要望あり。運送にかけられる時間は夜から朝にかけての約13時間
●ロックダウンなど不測の事態を想定した配送の代替案
●作業時のおける新型コロナウィルス感染予防対策（マスク、ゴーグル、防護服の着用等）

ご要望として積込から積み下ろしまで積み替えなしで運送を行うという点がありました。関西から関東への長距離輸送であるため、連続運転と休息時間の兼ね合い上ワンマンではご要望の到着時間には間に合いません。安全な運転を確保するためにも、ご要望への対応として各トラックに運転手2名体制で走行するプランを作成しました。

また、トラック自体に何かの不具合が起こるなどのリスクも想定し、2拠点から出るトラックの最後尾にそれぞれ1台ずつ予備車を配車しました。

今回の事例はコロナウィルスの感染が拡大し始めたころの作業であったため、感染拡大によるリスク想定が今までのデータセンター移設とは異なる点でした。海外で行われていたロックダウンのようなことが起これば、道路交通事情にどの程度影響がでるのか、移設先のセンターにコロナ感染がおこり搬入が不可になった場合どうするか、といったこれまでにないリスク想定がありました。こういった今までにないリスク想定への対応が事前の準備として求められました。

まず、通行止めやロックダウンによる道路交通の影響などのリスクを想定し、2回のリハーサル走行では3ルートの走行を実施しました。

また、搬入先のデータセンターが万が一コロナの影響で立ち入り禁止になった場合を想定し、近隣の倉庫への搬入・保管についても見積を算出して備えました。
実際には交通の影響はなく、センター搬入についても問題なく行えましたが、事前に様々なリスクを想定して備えることはデータセンター移設のような高度なセキュリティ対策が必要とされる移設において重要です。

【ご要望や課題への主な対策】
●全車鍵付きのトラックを手配
●トラックの施錠箇所に接触がわかるシールを貼り、到着地までの施錠を確認
●関西から関東まで２マン体制でのトラック運送
●それぞれの拠点から1台最後尾に予備車を配車
●運行状況をサービスエリアや定時に報告
●到着地センターの近隣に、非常時に搬入・保管が可能な倉庫を確保
●全作業者のマスクとゴーグル着用

リハーサルの実施後、本番の運送はプラン通りに問題なく進めることができ、機器の搬入についてもトラブルなく完了しました。データセンター移設というお客様にとって大切なプロジェクトの運送・移設を無事遂行することができ、お客様から感謝状も頂戴しました。