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データセンター不足の背景と移設のメリット
- 物流
クラウドサービスやAI需要の急増により都心部ではデータセンターの不足が課題となっています。そうした背景からかデータセンターの移設に関するご相談も増えてきました。今回はデータセンター不足の背景や移設に関するメリットなどを取り上げたいと思います。
データセンター不足の背景
データセンター不足にはどのような背景があるのか、いくつかの要因をあげてみます。
●クラウドサービスの普及
クラウドコンピューティング(AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなど)の需要が急増しており、企業や個人がサーバーやストレージを自前で持たず、外部のデータセンターに依存するようになっています。これにより、クラウドサービスの基盤となるデータセンターが大量に必要とされています。
●データ量の爆発的増加
IoT(モノのインターネット)、スマートデバイス、5G技術、ビッグデータ解析などが進展する中で、データの生成量が増大し、それに伴いデータセンターの収容能力が求められています。特に、高解像度映像やリアルタイムデータ、AIのトレーニングデータなどがデータセンターに依存するデータの一例です。
●AI・機械学習の需要増加
AI技術の普及と機械学習の活用が進むことで、これらの技術を運用するための演算リソースやデータストレージが必要になり、それに応じてデータセンターの需要が高まっています。
●リモートワークの普及
特にCOVID-19パンデミック以降、リモートワークが広がり、ビデオ会議、オンラインストレージ、クラウドベースの協働ツールなどの利用が増加しました。この結果、ネットワークトラフィックが増大し、データセンターの容量が逼迫しています。
●立地と土地の制約
データセンターの設置に適した土地は、エネルギー供給が安定している地域であり、同時に自然災害のリスクが低い場所である必要があります。特に都市部では土地が高騰しており、また土地利用規制が厳しくなるため、新たなデータセンターの建設が難しくなってきています。
データセンターの移設(移転)や分散のメリット
このようなデータセンター不足の状況を受けて、総務省が発表した令和6年度補正予算では、地方へ分散して整備するデータセンターの建設費用を補助するとして、120億円の予算を計上しています。今後、データセンターの移設や地方への分散への流れは強まると考えられます。
データセンター移設(移転)や分散へのメリットをいくつか挙げてみます。
●コストの最適化
都市部では地価の高騰を受け土地の確保が難しくなる一方、郊外や地方では都市部に比べて比較的安価に土地を確保できる可能性があります。また、電力供給が安定している地域や、再生可能エネルギーが豊富に供給されている場所に移転することで、運営コストを大幅に削減できる可能性があり、長期的なコスト削減に貢献します。
●効率的な運営
新しい地域に移転することで、最新のテクノロジーやエネルギー効率の高い冷却システムを採用し、運営の効率性を向上させることができます。また、物理的なスペースを最大限に活用する設計に変更することも可能です。
●災害リスクの低減
地震、洪水、台風などの自然災害リスクが高い地域に設置されているデータセンターは、災害対策やバックアップ電力、冷却設備の問題が発生する可能性があります。より安定した地域への移設は、事業継続性やデータ保護の観点からも重要です。
リスクの低い地域への移設や拠点の分散は、自然災害に対する防御を強化するだけでなく、災害発生時の業務中断を最小限に抑えることができます。
このようにデータセンターの「移設」や「移転」は、単に施設を別の場所に移すことだけではなく、さまざまな戦略的理由によって行われます。
JBLではデータセンター移設における物流全般のサポートをご提供しております。データセンター移設は長期にわたるプロジェクトとなる場合が多く、単なる運送手配とは異なり様々な調整や専門的な知識が必要です。経験豊富なスタッフが移設における物流設計や管理をご提供するサービスもこの度開始しました。(データセンター移設サービスのページ参照)
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